マギカロギアの自作シナリオである「駒鳥の瞳」を刀剣乱舞のPCで遊べるようにしたものです。
【はじめに】
▼シナリオ名:駒鳥の瞳(刀剣乱舞版)
▼PL数:1名
▼リミット:6サイクル、6シーン+マスターシーン(GMとPLの判断で5サイクルでも可)
▼PC:新規、継続どちらも可
▼難易度:易
▼オリジナルシーン表使用
▼憑依深度の進行有り
▼注意事項
・刀剣乱舞の世界観に合わせて描写を変更しています。
・初心者向けにつき、低難易度
・猟鬼非推奨
・それなりにRP推奨
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【シナリオ概要】
五感とは、『視覚』『聴覚』『触覚』『味覚』『嗅覚』の事を指す。
それのうち一つでも失ったとしたら、どうなるのだろうか。
何かが変わってしまい、また別のものを失う事もあるのだろうか。
それでも――新たに生まれるものはあるのだろうか。
此度確認された魔法災厄は、そんな五感のうち一つを失わせるものだ。
大法典の魔法使いである貴方は、そんな魔法災厄を齎す禁書封印の任務にあたるよう指令を受けた。
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マギロギ初めての人にシステムや流れを覚えて貰うために作ったシナリオです。
その為、サイクル数が多めになっております。慣れてる人でも普通に遊べると思います。
新書版で遊ぶ場合はデータを上手い事調整して下さい。
※こちらのシナリオはPixivにて公開している「駒鳥の瞳」というシナリオを刀剣乱舞の世界観でも遊べるように改変したものです。
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※ここから先GM向け情報です。PL予定の方は見ないようにして下さい。※
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【シナリオ背景】
今より何年も昔の事。
ひとつの禁書によって、ある魔法災厄が齎された。
五感のひとつが焼失――地味だがそれなりに騒ぎになるであろうその魔法災厄はただちに鎮圧され、禁書は大法典の預かりとなる。
しかし、この禁書を巡る物語はそれだけでは終わらなかった。
時を経て、暗闇文庫からひとつの禁書が持ち出される。
それこそ、昔封印された《謎謳う童歌》だった。
手引きをした者は処罰されるも、その禁書の行方は謎のまま、時だけが過ぎていく。
しかし持ち主である書籍卿《狩人の瞳》が動き出した事により魔法災厄が確認され、大法典の知るところとなった。
ひとつの魔法災厄によって齎された歪な絆。
それに直面したPCは果たしてどのような結末を選ぶのだろうか。
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【PC用HO】
推奨経歴:無し
貴方は刀剣男士であり、大法典に所属する魔法使いだ。
貴方がいつも通りの日常を過ごしていたところ、近侍から審神者からの言伝がある、と言われる。
曰く「ある都市にて魔法災厄の発生が確認された」との事だ。
魔法災厄は「五感のうちの一つが消失する」という命に関わるものではない為、急いで回収する必要は無いかと思われたが、大法典が回収を急ぐ理由は別にあった。
近侍を通して審神者からも頼まれた貴方は魔法災厄が確認された都市へと赴き、禁書回収の任務にあたる事となる。
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【シーン表】
館のシーン表
※館にいる時のみ適用。外では通常のシーン表を使用する事。
2:ふと上を見上げると、天井に星空が映っていた。しかしそれはすぐに消えてしまう。星の魔素が一点発生する。
3:一瞬だけ食卓を囲む家族の幻が見えた。かつてここに住んでいたものの面影だろうか。夢の魔素が一点発生する。
4:部屋の暖炉に突如火が入った。何が起きたのだろう。力の魔素が一点発生する。
5:テーブルの上には薔薇が一輪飾られている。盲目の刀剣男士曰く、世話役の刀剣男士から貰ったものらしい。
6:床には厚手の絨毯が敷かれている。歩き心地は中々悪くない。
7:周囲で〈断章〉が引き起こした魔法災厄が発生する。ランダム特技表を振って判定に成功すると、好きな魔素が一個発生する。失敗すると「運命変転表」を使用する。
8:外の音が全く入ってこない。まるで切り離された空間にいるようだ。
9:ふかふかのソファがある。ここで眠ったら気持ちよく眠れそうだ。
10:どこからかオルゴールの音が聞こえてくる。物悲しくも、どこか狂気を感じさせる旋律だ。歌の魔素が一点発生する。
11:窓に目を向けると、一羽の鳥が窓辺で羽を休ませていた。良くある光景なのだろう、鳥は穏やかな様子だった。獣の魔素が一点発生する。
12:突如己の五感の一部が失われたかのような感覚に陥るも、すぐに元通りになる。これが禁書の力なのだろうか……?闇の魔素が一点発生する。
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【登場NPC】
便宜上、出てくる刀剣男士については同行NPC以外は決まっていますが、自由に変えて頂いて問題ありません。
事前にどのペアやコンビが好きかなどと聞いても良いかもしれません。
◆同行NPC:近侍(刀剣男士。誰にするかはご自由にどうぞ。)
大法典に所属している司書。審神者の命もあり、一旦近侍から外れ、PCと行動を共にする。
立会人枠なので、どの刀剣男士にするかはGMの自由で問題ありません。
尚、このNPCの所持魔素は最初の魔法戦の段階では0の状態です。それ以降は適宜調整して下さい。
完全に支援特化です。ずっとついてきます。
・データ
第三階梯司書
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:7
領域:歌
特技:《大地》、《翼》、《旋律》、《時》、《幻》
緊急召喚、騎士召喚《旋律》、幻影、支援、分析、護力
願い:禁書を封印し、無事に戻ってきてほしい。
++++++++++
◆獅子王
廃墟に住む刀剣男士の友刃で、PCとは同本丸。
遠征任務で彼らの住む土地に赴いた際に二人に出会い、仲良くなった。
世話役の刀剣男士との喧嘩の理由は、盲目の刀剣男士の為を思うならあんな廃墟に籠らずに審神者なり政府なりに相談しろと進言し、目が見えなくなった理由を知っている世話役は審神者でも政府でもどうしようもできない事を知っている為断ったが、その断り方が酷かった為。
「あいつの為を思うなら、ちゃんと審神者や政府に診せるべきなんだ」
「仲直りしたくないわけじゃないんだぜ。でも、謝りにくいっていうかなぁ……」
願い:もう一度二人のどちらかに会って話がしたい。
※彼は現在屋敷(廃墟)には近付いていません。接触するのは本丸内になります。
++++++++++
◆盲目の刀剣男士:髭切
目が見えない刀剣男士。
世話役の刀剣男士とは別本丸の刀剣男士である。彼とは以前遠征先で出会い、兄弟刀ということもあってか意気投合した。
常に目を閉じているが、目を開くと本来の姿とは違い、鮮やかな空色の瞳が見える。
正体は「旧世界秩序」の書籍卿。データはエネミーデータを参照。
「この気配は……ああ、僕がいた本丸にもいたね。やあやあ、源氏の重宝、髭切だよ」
「弟は何で僕以外にはそっけない態度になってしまうんだろうね?」
++++++++++
◆世話役の刀剣男士:膝丸
髭切の世話役。
まだ練度が低い頃、遠征先でひとり時間遡行軍に襲われたところを髭切に助けられた事がある。それが二振りの出会いだった。
髭切にだけは親しげに話すが、それ以外に対してはそっけない態度を取る。
正体は「闇の心臓」の書籍卿。データはエネミーデータを参照。
「膝丸だ。それ以上言う事は無いが……聞きたい事があるなら答えるぞ」
「兄者、獅子王の事はもう忘れよう。あの刀と俺たちは分かり合えない」
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【HO】
HO総数は全部で3つです。
HO中の名前については、出てくる刀剣男士によって適宜変更してください。
◆獅子王
此度の件に何かしらの形で関わっているようだ。尚、彼は魔法使いでは無い。
+
【秘密】
彼は断章《謎》に憑依されている。憑依深度1。彼は「味覚」を失いつつあるが、気付いていない。
彼は廃墟に住まう盲目の刀剣男士と、その世話役の刀剣男士の友人である。友人として盲目の男士の事を気にかけており、頻繁に屋敷に出入りしている。
しかし最近盲目の男士の世話をしている世話役の男士と些細な事で喧嘩をし、仲直りのきっかけも見出せずに塞ぎ込んでいる。
HO【盲目の刀剣男士】【世話役の刀剣男士】公開。
断章《謎》:憑依深度1/領域:夢/特技《謎》/攻撃力:2 防御力:2 根源力:3 魔力:4/【魔炎】【動揺】
++++++++++
◆盲目の刀剣男士(出会ったらHO名を「盲目の刀剣男士:髭切」に変更可)
廃墟に住まう盲目の刀剣男士。
+
【秘密】
彼は「旧世界秩序」の書籍卿である。魔法名「駒鳥の歌(クックロビン)」。
この屋敷の内部は彼の管理する領域となっている。
彼は数年前禁書の魔法災厄に巻き込まれ、視力を失った。彼が書籍卿となったのは視力を失う直前の事である。
自分の目を治そうと思えば治せる事を知りながら、実行に移そうとは思っていない。治せば膝丸が自分の元を離れていくのではないかと考えている為である。
クライマックスフェイズまでに彼を無力化しない場合、禁書戦にて立会人として参戦してくる。これは禁書を倒され、万が一目が治っては困るという理由からである。
彼は断章「謳」を所持しており、彼との魔法戦に勝利したら手に入れる事が出来る。
断章《謳》:憑依深度無し/領域:星/特技《静寂》/攻撃力:3 防御力:2 根源力:3 魔力:5/【沈黙】
彼にはまだ秘密があり、「世話役の刀剣男士」の秘密が公開されると公開される。
(「世話役の刀剣男士」の秘密が開いたら更新)
また、彼と戦い勝利した場合、膝丸は戦意喪失し無力化する。この場合、膝丸の処遇を決める事は出来ないが、彼の持つ断章を手に入れる事は出来る。
++++++++++
◆世話役の刀剣男士(出会ったらHO名を「世話役の刀剣男士:膝丸」に変更可)
盲目の刀剣男士の世話をしている刀剣男士。
+
【秘密】
彼は「闇の心臓」の書籍卿である。魔法名「狩人の瞳(ホークアイ)」。
彼は書籍卿となる前に髭切に命を助けられた事がある。書籍卿となってからもその恩義を忘れず、かつて魔法災厄に巻き込まれたという髭切の力になるべく探し続けていた。
一度は封印された禁書を利用しているのは彼であり、その理由は髭切の目を治す手がかりが無いか観察する為だった。尚、この事を髭切は知らない。
クライマックスフェイズまでに彼を無力化しない場合、禁書戦にて立会人として参戦してくる。これは禁書を倒されては髭切の目を治す手がかりを失うと思っての事である。
また、彼は断章「童歌」を所持しており、彼との魔法戦に勝利したら手に入れる事が出来る。
断章《童歌》:憑依深度無し/領域:歌/特技《時》/攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:4/【騎士召喚《時》】
彼にはまだ秘密があり、「盲目の刀剣男士」の秘密が公開されると公開される。
(「盲目の刀剣男士」の秘密が開いたら更新)
また、彼に勝利すると髭切は戦意喪失し無力化する。この場合、髭切の処遇を決める事は出来ないが、彼の持つ断章を手に入れる事は出来る。
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【エネミーデータ】
◆禁書
《謎謳う童歌》(ソングオブマザーグース)
魔法災厄:五感の喪失。五感のひとつが失われる。
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:13(PCの行動次第で変化)
特技:《謎》《静寂》《時》
魔法:【魔炎】【動揺】【沈黙】【騎士召喚《時》】(剥奪したものは除外)
巨大な鳥の形をしている影。常にマザーグースの一節を奏でている。
「だぁれ、ダァレ。わたしを、ボクヲ。よぶのはだぁレ」
「わたしは、ボクハ。《謎謳う童歌》。みんな、ミンナ。歌に、詩ニ、なっちゃエ」
「with my bow and arrow,I killed Cock Robin」
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◆断章
《謎》:憑依深度1/領域:夢/特技《謎》/攻撃力:2 防御力:2 根源力:3 魔力:4/【魔炎】【動揺】
「我ガ名ヲ呼ブハ誰ゾ」
「我ガ解ニ間違イハ無シ。大法典、汝ラハ潰エルベシ。ソレコソガ最適解ナレバ」
《謳》:憑依深度無し/領域:星/特技《静寂》/攻撃力:3 防御力:2 根源力:3 魔力:5/【沈黙】
《童歌》:憑依深度無し/領域:歌/特技《時》/攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:4/【騎士召喚《時》】
断章《謳》と《童歌》については、戦闘はありません。
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◆書籍卿
《駒鳥の歌》クックロビン
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:5
領域:星
真の姿:攻撃強化
橙がかった翼が生える。目は黒くなる。
特技:《海》、《天空》、《花》、《衝撃》、《追憶》
緊急召喚、騎士召喚、星霊召喚、妖花、魔弾、護力
「ねぇ、お願いがあるんだ。……僕達の世界を壊さないでくれるかな」
※《駒鳥の歌》は、騎士召喚を行えば星霊召喚は使わず、星霊召喚を行えば騎士召喚は使いません。
《狩人の瞳》ホークアイ
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:5
領域:獣
真の姿:防御強化
白い翼が生える。良く見ると鷹の羽が混じり、瞳孔が細くなっている。
特技:《雨》、《血》、《翼》、《雷》、《迷い》
緊急召喚、騎士召喚、触手、雷鎖、支援、寄攻
「兄者の目を治す方法は俺が見つけてみせる……!」
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【導入フェイズ】
◆開幕描写
駒鳥は空を見上げていた。
久しく飛べていない空は、果たしてどのような色だっただろうか。
空から見下ろす地上は、どんなものがあっただろうか。
鷹は地上を見下ろしていた。
地上ばかり見ていたせいで、空がどのようなものだったか忘れてしまった。
地上から見上げた空に、どんなものがあったのか忘れてしまった。
ああ、飛びたい。
本能が、飛びたいのだと、自由になりたいのだと叫ぶ。
マギカロギア「駒鳥の瞳」
――それでも思う。
もう空は飛べなくて良い、と。
この暗い世界の中で。
貴方しかいない世界の中で。
私は生きていきたいのだ。
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◆導入
NPCからPCに向け、大法典から任務が下ったことを話す。
ある都市で魔法災厄が起きている。
人々から五感のうちのひとつが失われるというもので、人命に関わるものではないがこの上無く不便なものである。
これだけならば急いで回収に乗り出さなくても良いが、問題は別にある。
この魔法災厄を起こしている禁書は「謎謳う童歌」と言い、以前も同じ魔法災厄を起こして封印されたが、数週間前何者かによって封印が解かれてしまったらしい。
手引きをした裏切り者は既に牢に捕えたが、実際に封印を解いた者は誰か分かっていない。
放置しておけば被害が広がるだけでなく、大法典の威信にも関わる。ただちに禁書を回収して欲しい。
……という旨を説明する事。
説明を終えた後、この件に少なからず関わっている者がこの本丸内にいるという事を話し、HO「獅子王」を公開する。
「獅子王」がPCのシナリオアンカーとなる。
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【メインフェイズ】
感情判定や調律の為に1サイクル多くしてあります。
PLとGMの判断でその分を無くしても問題ありません。
◆マスターシーン
・「盲目の刀剣男士(髭切)」か「世話役の刀剣男士(膝丸)」と戦い、勝利した
魔法戦を終えてシーンを〆た後、魔法戦をしていない方と話をさせて下さい。
ここで最後の断章を手に入れます。
会話次第ですが、好意的に渡してくれます。
髭切と会話:「彼と戦ったの? 強かったでしょう」
彼はいずれ大法典が動くことを悟っていた為、どのような処遇をされようともPCが来てくれた事に対して感謝しています。
膝丸を消滅させていた場合、彼は少し目を伏せて「……そっか」とだけ呟くでしょう。
膝丸と会話:「兄者と戦ったのか……。くっ、俺がいながら……」
彼はこのままでは髭切の為にも良くないと感じていた為、止めてくれた事に対して少なからず感謝してくれます。
髭切を消滅させていた場合、彼は「頭を冷やしてくる」とその場を去ります。
尚、魔法戦にて入手した断章とここで入手した断章は、どちらも魔法か魔力の剥奪が可能です。
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◆各シーン描写補足
・「盲目の刀剣男士」もしくは「世話役の刀剣男士」を調査するという宣言があった場合、以下の描写を入れて下さい。
都市の中心部から外れた場所。
山が近いのか民家は少ない。穏やかな空気が漂い、長閑で静かな場所だ。
獅子王から得た情報の中にある廃墟というのはどうやらこの近辺にあるようだ。
記憶を探り辿り着いた貴方が見たものは、大きめな洋館だった。
庭の草は荒れ放題で、洋館の外観は古びているように見える。
雨に降られないようにと避難した貴方は大きな玄関の戸の前にいた。
玄関の戸を開けた貴方は違和感を感じる。
廃墟の割には内装はやけに綺麗だ。床板も綺麗で、敷かれた絨毯は新品さながら。まるで新築のような光景だった。
貴方が中へ入った音が聞こえたのか、どこからか静かな足音が聞こえた。
その足音が聞こえる方角へ視線を向けると、そこには階段を降りてくる姿があった。
彼は貴方を見て目を細める。
膝丸「……誰だ」
※「盲目の刀剣男士(髭切)」「世話役の刀剣男士(膝丸)」は一切館から出てこない。その為、PCが館に赴く必要がある。
また、髭切がいる部屋は二階にあり、膝丸が案内してくれる。
・描写例:
階段を上り、長い廊下に出る。廊下には絨毯が敷かれており、床板の軋む音は聞こえない。
窓の外を見れば雨が降っている。しかし雨音は聞こえてこなかった。
(※館の内部は髭切の管理する領域な為、外界の干渉を受けない)
・髭切の部屋描写例:
中へ入ると、真っ白な絨毯の上にローテーブルとソファがあった。壁際には本棚があり、暖炉も見える。
そのソファの上に、戦装束を着た髭切が座っている。
髭切は微笑み、貴方の方へと顔を向ける。しかしその両目は閉ざされていた。
膝丸は髭切が座るソファの背後に立つ。まるで彼を守るかのように。
部屋はこんな感じで適当に描写して頂いて構いません。
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【クライマックスフェイズ】
PCは編纂の為、1階へと降りて行く。髭切と膝丸は邪魔してこない。
描写例:
夜の帳が下りる。
窓の外に見える夜空を視界の端に入れながら、貴方は屋敷の一階へと赴いた。
静まり返った玄関ホールに、編纂の準備を終えたNPCが立っている。
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◆禁書戦前描写例:
床からせり出した何かと共に、ばらばらと頁が捲られる音が響く。実際には捲られる頁など無いというのに。
やがて地からせり出したそれは――本の形をした何かは貴方とNPCを飲み込み、ぱたん、と静かな音を立てて閉じられた。
暗闇の中から歪な音が聞こえる。
闇に目をこらしてみれば、巨大な一羽の鳥のような影が羽ばたいているのが見えた。
音はその鳥から聞こえてくる。
鳥が音を奏でている。飽きることなく、ずっと。
禁書《謎謳う童歌》「だぁれ、ダァレ。わたしを、ボクヲ。よぶのはだぁレ」
楽し気に、無機質な声音で鳥は音を奏でる。
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◆禁書戦後描写例:
禁書は最後に小さく歌い、
禁書《謎謳う童歌》「with my bow and arrow,I killed Cock Robin」
歌を奏でたまま地に落ち、闇に溶けていった。
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◆禁書戦後のあれこれ
書籍卿は相も変わらず屋敷に留まります。
PCが話をしようとすれば応じますし、そのまま去るようであれば何も言わず窓から見送っているでしょう。
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◆閉幕描写(PCのエピローグ後に入れて下さい)
※書籍卿が二人とも生きている場合
これで良いのだと思い込んでいたのはいつからだっただろうか。
自由に飛ぶ姿を見るのが好きだったのに。
自由に謳う姿を見るのが好きだったのに。
見上げる空を飛ぶ気高い瞳を持つ姿はいつだって綺麗で、見下ろす地上はいつだって心地よい歌が聞こえてきていた。
飛べなくなってしまったせいで空から見た地上の景色は忘れてしまったけれど、あの瞳が傍にある。
地上を見すぎていたせいで地上から見た空の色は忘れてしまったけれど、あの歌が近くで聞こえる。
ああ、空を忘れてしまったけれど、これで良いのだ。
だって隣には貴方がいる。
光の見える世界の中で。
貴方がいる世界の中で。
私たちは生きていく。
※書籍卿が片方消滅している場合
これで良いのだと思い込んでいたのはいつからだっただろうか。
自由に飛ぶ姿を見るのが好きだったのに。
自由に謳う姿を見るのが好きだったのに。
見上げる空を飛ぶ気高い瞳を持つ姿はいつだって綺麗で、見下ろす地上はいつだって心地よい歌が聞こえてきていた。
飛べなくなってしまったせいで空から見た地上の景色は忘れてしまったけれど、あの瞳が傍にあった。
地上を見すぎていたせいで地上から見た空の色は忘れてしまったけれど、あの歌が近くで聞こえていた。
ああ、空を忘れてしまったけれど、これで良いのだ。
だって隣には、確かに貴方がいた。
貴方の名残を感じる世界の中で。
貴方がいた世界の中で。
私は生きていく。
「駒鳥の瞳」終
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